秋の深まりとともに山々が緋色に色づく季節となりました。
今回はカエデの情報やカエデとモミジの違いについて、ご紹介いたします。
カエデとはカエデ属の総称です。切り込みの入った葉は赤ちゃんの手にも例えられますが、万葉集には「かへるで」という蛙の手に例えた古名が登場し、これがなまってカエデになったとされています。また、モミジは植物が赤や黄色に色づくことを意味する動詞「もみず」からきた俗称です。
植物分類上はカエデとモミジは同義語です。ところが園芸の世界では、葉の切り込みが深くて多い ものをモミジといい、それ以外をカエデと区別する習慣があります。また盆栽の世界では、葉が小さく切り込みが深く、秋になると真っ赤になる物をモミジと呼び、切り込みが浅く葉の大きいものをカエデと呼ぶ習慣もあるようです。
【園芸界のカエデ】
【園芸界のモミジ】
お菓子などに使われるメープルシロップですが、その原料がサトウカエデ(砂糖楓)の樹液だということをご存知でしょうか。直径30センチ以上のサトウカエデの幹に穴を開けて管を挿し、そこから樹液を採取します。この樹液を適度な甘さになるまで煮詰めます。あくをこまめにすくい取り、ろ過し不純物を取り除くとメープルシロップが出来上がります。1本の木から40~80ℓの樹液が採取できますが、1ℓのメープルシロップを作るためには40ℓの樹液が必要です。
サトウカエデはカナダを代表する木で国旗にもデザインされています。 カナダのメープルシロップの生産量は全世界の8割を占めています。
古来より日本人に親しまれてきたカエデは日本全国に名所があり、気軽に楽しむことができます。 また、ドライブやハイキングなど楽しみ方も様々です。これからの季節にぜひ出かけてみては いかがでしょうか。